2025年大阪万博が決定!経済効果2兆円は本当に大丈夫?

2018年12月10日

2025年の万国博覧会が大阪夢洲で開催されることが決まり、大阪が沸いています。
大阪府は2,800万人の来場者を想定、約2兆円の経済波及効果 があると見込んでいます。大阪で開催される万博は今回が2回目(1970年千里丘陵にて開催)。
前回の大阪万博から既に半世紀近くが経過し、知らない世代の方が多いと思いますが、前回の大阪万博の来場者数は6,421万人、経済波及効果は約4兆9,500億円 にのぼり、高度成長の象徴となりました。当時の私は幼いながらも、夢の世界の出現に喜々として会場を走り回ったのを思い出します。さて、2025年の大阪万博は低迷する関西の経済活性化のけん引役となるのでしょうか?

万博開催にはいくらの費用がかかる?

万博は開催すれば黒字になるとは限りません。ひとつ間違えれば大きな赤字を生むこともあります。2000年にドイツで開催されたハノーバー万博は、総事業費4,000億円をかけて4,000万人の来場者を想定していましたが、訪れたのは1,810万人と半数にも満たず、1,200億円という巨額の赤字を計上する結果となりました。
2005年に開催された愛知万博では、ハノーバーの失敗を踏まえて無駄使いを抑え、事業費2,085億円、来場者2,200万人という結果になり129億円の黒字を計上しています。
2010年、国家の威信をかけて開催された上海万博は史上最多の7,308万人の来場者を記録しましたが、総事業費は3,900億円、地下鉄や空港などのインフラ設備や都市整備費を合わせると5兆5,000億円という莫大な費用が投入されています。
2015年に開催されたミラノ万博では、目標来場者数2,000万人は上回った(2,220万人)ものの、地下鉄・高速道路・鉄道などの新たな整備費用を含めると150億ユーロ(1兆6,000億円)以上の費用が投入されているようです。収支は定かではありませんが、フランスのパリが2025年万博の誘致を断念したのも、ミラノの赤字を見たからだという意見もあります。
2025年の大阪万博では、会場建設費が1,250億円、運営費800億円、合計2,050億円と見積もられていますが、他にも夢舞大橋の整備費用や大阪メトロの伸長工事にかかる費用が約540億円。さらに誘致費用は既に36億円支出されているとか。
2020年の東京オリンピックでも、当初は7,340億円で開催可能とされていましたが、最新情報では1兆6,000万円~1兆8,000万円に膨らむといわれています。
2025年大阪万博の際には、開催費用が倍までは膨らむことのないよう願いたいものです。

大阪やから、ぜったい「おもろい万博」にしてくれるやろ!

大阪人は「おもろい」ことが大好き。そしてもちろん儲けることも。大阪弁の「おもろい」は、単に面白い・可笑しいという意味だけでなく、興味深い・魅力があるなどの意味を包括した言葉です。だから、「あんた、おもろいなあ」は最大の誉め言葉。そして、大阪人は昔から商売上手でもよく知られています。
2025年の万博でも、大阪人の才能をいかんなく発揮して「おもろい万博」をつくりあげ、しっかり黒字を計上し、関西圏のみならず地方の活性化にもつなげてくれるものと個人的には大きな期待を抱いているのですが……。
バブル崩壊によって負の遺産となっていた夢洲が再び輝きを放ち始めました。万博会場となるのは夢洲の南西側の155ヘクタール(全体は390ヘクタール)。会場の北側の70ヘクタールは、大阪府と市が2024年の開業を目指している総合型リゾート(IR)の有力な候補地です。
万博とIR、2つの相乗効果によって、試算されている以上の経済効果も期待できるでしょう。
大阪万博の開催が決まった翌週の26日の株式市場では、万博関連株が軒並み上昇しました。土木・建築関連株を筆頭に輸送株(南海電鉄)ホテル(ロイヤルホテル)デベロッパー(ダイビル)など。また、万博開催によってIRの誘致も有利になったとの思惑から、IR関連株(メダル計数機のオーイズミ・紙幣判別機の日本金銭機械など)も買われています。
夢洲は、既に投資家達にも多くの夢を与えてくれているようです。今後、夢が実現となって花開くのか、儚い夢で終わってしまうのか……。2025年まで夢洲から目が離せません。

この記事のライター

宮崎悠

インテリアコーディネーター/福祉住環境コーディネーター。建築会社退職後、主婦ライターとして5年目。株式投資歴12年。

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